<レポート>2023年3月9日(木) Music Baton 赤松林太郎 CASIO CELVIANO Grand Hybridレクチャーコンサート
『CASIO Music Baton』について
カシオ・デジタルピアノの最高峰"CELVIANO Grando Hybrid"が創り出す感動で、人の心を繋いでいく。そんな思いを形にした、地域の楽器店とCASIO様が一つになって開催する特別な演奏会です。
2016年よりスタートしたMusic Batonは、このたびvol.46として徳島・黒崎楽器へ!
CASIO Music Batonの開催の軌跡
ピアニスト・赤松林太郎先生をお迎えし、"CELVIANO Grando Hybrid GP-510"の魅力が伝わるトークと素晴らしい演奏を披露していただきました。
ピアノが持つ個性
"CELVIANO Grando Hybrid"には、3つのグランドピアノの音色を搭載!単旋律のフレーズ(bachのインベンション第2番)を用いて、個性の違いを聞き比べます。
ベルリン・グランド
C.BECHSTEIN社とCASIOが共同開発し、メロディーを次ゝと重ねて弾くと和声を感じる音色。
ハンブルク・グランド
密集から音が開離になると音の広がりとともに倍音感が増し、華やかになる音色。
ウィーン・グランド
華やかさはないが厚みがあり、ペダルを踏んだり和音を弾くと美しく響く音色。
音楽の美しさは音と音の重ね方や繋がりによって生まれます。
楽器が持つ音色の性格を紐解くことでより良い表現を追求できるようになるため、演奏をする時、他人の演奏を聴く時に耳を鍛えることが大切だとお話くださいました。
♪演奏♪
ムゼッタのワルツ/プッチーニ
音楽と食事の共通点を探るCASIO"Classic and Cuisine"で披露されているこの曲。ピアノ小品が原曲で、その後オペラ『ラ・ボエーム』のアリアとして有名になりました。
指先の感覚
"CELVIANO Grando Hybrid"は、グランドピアノの弾きごたえを感じられるよう素材からハンマーの動きまで徹底的に研究し、同様の構造を持つアクション機構を有するデジタルピアノです。今回はスタッカート奏法を例に、繊細な鍵盤の動きについて分かりやすく解説してくださいました。
☺モニターには手元が映し出され、繊細な動きを見て確認することができます。
価格帯の安いデジタルピアノでは繊細な打鍵感が得られず音色を創ることが難しいため、"アコースティックピアノの代用品"にはなりません。デジタルピアノでの技術の習得には楽器の構造にも着目すべきだと感じました。
☺ホールに用意された"CELVIANO Grando Hybrid"アクション機構。
またアコースティックピアノは良い意味での曖昧さがあり、ちょっと気を抜いて弾いてしまってもまとまってくれるのに対し、デジタルピアノは正確に音が出るため、油断して弾くとデコボコな音になってしまう難しさがあります。
そのためデジタルピアノは指先の感覚と向き合いながら、正確なパッセージを弾く練習に最適だと仰っていました。
♪演奏♪
幻想即興曲/ショパン
この曲がきっかけでピアノを始める人もいるほど憧れのピアノ曲として名高い傑作。華やかに旋律を聴かせたいこの曲はハンブルク・グランドがおすすめ。
亡き王女のためのパヴァーヌ/ラヴェル
1899年作曲のラヴェルの初期を代表するピアノ曲で翌年にラヴェル自身が管弦楽曲に編曲。和音の美しい響きを感じたいこの曲はウィーン・グランドがぴったり。
デジタルピアノとの向き合い方
デジタルピアノに対する本音を言えば不満に思う点も多く挙げられますが、なぜ赤松先生は"CELVIANO Grando Hybrid GP-510"を使い続けているのか。ピアニストはタッチに対して欲しい音が返ってくることを求めますが、グランドピアノを弾いた時と同じ体感をこのモデルを弾いた時に感じられたからだと仰っていました。
住環境や経済面などの条件によりデジタルピアノを選択する方が多くなっている昨今。アコースティックピアノでの練習が望ましいとしても常日頃触れられる環境は国内外においても容易ではありません。
デジタルピアノは技術革新により日々進化を続けています。
鍵盤構造や音響性能の向上はもちろんのこと、1台の中に多彩な音色を有し選曲によって音律を変えてみたり、好みのタッチ感度に変更して弾き方を研究することもできます。
"アコースティックとデジタルは別の楽器"であるけれども楽器が持つ特徴を理解し、適したアプローチを考えること。そうすればどんなピアノと対峙しても最大限にポテンシャルを発揮できる適応力が培われていくのだそうです。
♪演奏♪
ピアノソナタ/リスト
ピアノ曲を数多く残したリストが『ソナタ』と題した唯一の作品。GP-510で低音を弾いた時に振動を感じられたとのこと。
パガニーニの主題による狂詩曲 第18変奏/ラフマニノフ
1934年に作曲されたピアノを独奏楽器とする協奏的狂詩曲。
今回はピアノのみでの演奏ですが豊かな音の盛り上がりに感動いたしました。
熱情ソナタ 第3楽章/ベートーヴェン
中期の最高傑作のひとつ第8番『悲愴』、第14番(月光)と合わせて三大ピアノソナタとされることも。燃えるような激しい感情の音に圧倒されました。
レクチャーコンサートを終えて
コンサート終了後、会場内に用意された"GP-510"、"GP-310"を試弾していただき、参加された皆様の指と耳でご体感いただきました。黒崎楽器本店では常時"GP-310"を展示しておりますので、試弾したいという方は是非ご来店をお待ちしております♪
☺アクションの感触を確かめる参加者。
赤松 林太郎先生
ご参加いただきました皆様
カシオ計算機株式会社様
誠にありがとうございました!
♫ 参加された皆様の声
☺デジタルピアノへの興味がわきました。迫力があり、素晴らしい演奏でした。
☺デジタルのデメリットと思っていた部分が練習のメリットになるということで、とても考えさせられました。
☺お話も演奏も素晴らしかったです。音色、耳について深めたくなりました。
☺消音機能をつけず、夜もピアノを弾くためにはとても良いものだと実感しました。